法被の洗い方、ご存知ですか?日本人の伝統的な服飾文化は「和装」ですが、今では普段から着物に親しんでいる方はごくわずか。呉服屋さんや、和風旅館、料亭などでは日常的に着物姿を見かけるものの、あまり一般的とは言えませんよね。それでも日本人の意識に「和」の装いが潜在的にあるのは、夏祭りなど、時間が経っても色あせない記憶の中にお祭り装束が織り込まれているからなのではないでしょうか。とはいえ、お祭り装束の代表的アイテムである「法被(半纏)」を目の前にした時、やはり取り扱いに困るという声も目立ちます。所属する自治体から貸与された法被(半纏)を汚してしまったけど、どのように洗えばいいのか分からない。そういう方のために、簡単な法被(半纏)のケア方法をご紹介しましょう!
法被(半纏)を洗うなら……NGと基本を把握しよう
まず、法被(半纏)を洗う際のNGポイントをまとめて把握しておきたいところです。NGリストとその理由を解説します。
■主なNGポイント
・お湯で洗う
法被(半纏)は顔料プリントや染め付けのものもあるので色うつり、色あせしやすいのです。お湯を使うとより一層その危険が高くなります。
・洗濯機を使う
法被(半纏)は非常にデリケートなアイテムなので、洗濯機の負荷に耐えられない可能性があります。型崩れや破損の原因になるので、洗濯機の使用は避けましょう。
それでは、ここからは実際に法被(半纏)を洗う「基本」です。順を追ってご説明しますので参考になさってくださいね。
■法被(半纏)の洗い方
1・色落ちのチェック
不要な白い布を濡らして法被(半纏)に重ね、軽く叩いてみてください。それだけで色うつりするようなら自宅では洗えません。
2・中性洗剤を使用した短時間手洗い
中性洗剤を温度低め、かつ多めの水に薄く溶き、さっと短時間で手洗いしましょう。他の洗濯物と混ぜるのは厳禁です。
3・水から引き揚げたら即座に干す
水濡れ時間は短ければ短いほどいいので、とにかく素早く干してください。型崩れしないように、衣紋かけや平らに干せる台を用意しておくといいかも知れません。
法被(半纏)を洗濯したら活かしたい「乾燥」の小技
洗濯機の脱水機能や乾燥機能を使えない衣類ってありますよね。ファッションにこだわりがある方なら心当たりがあるはず。法被(半纏)も同様だと考えてください。安易に洗濯機で脱水はできないけれど、長い間湿らせておくのも望ましくない、そういう時にはおすすめの小技があります。法被(半纏)以外のアイテムにも使える方法なので、ここで覚えておくと便利ですよ!まず、乾いた白いバスタオルを2枚用意します。これを広げて濡れた法被(半纏)を挟み込み、バスタオルに水気を吸い取らせるのです。簡単ですよね。この時、法被(半纏)のパーツが重ならないように形を整えておけば、色うつりや型崩れの心配もなくなります。
いかがでしたか?
バスタオルを改めて洗濯する手間は増えますが、少なくとも洗濯機にお任せできる点では気楽なもの。余分な水気をできるだけ取り去ってから干せば、法被(半纏)が濡れている時間は最短に抑えられます。
この方法は夏の定番アイテム、水着などのお手入れにも活かせますから、ぜひ試してみてくださいね。