銃・病原菌・鉄

 名称未設定-1.jpgアポカリプト」はジャガー・バウがマヤ帝国の追っ手を全て殺して、やっと妻子と再会し、さて旅に出ようとすると、船に乗って浜に向かってくる不吉な予感のするスペイン人を偶然見かけるところで終わりました。

 16世紀、ペルーに上陸したピサロ率いる十数名のスペイン人は鉄器と銃でインカ帝国を征服してしまいました。また、北米大陸もコロンブスに発見されてたちまちヨーロッパ人に植民地にされます。オーストラリア、アフリカも然り、アジア、中国も搾取されます。なぜこの400年で人類は持つ者と持たざる者に別れてしまったのか?

 13,000年前、人類はアフリカで生まれ、世界に散りましたが、ユーラシア大陸にのみ恵まれた東西に延びた地形、肥沃な土壌、耕作可能な種子、家畜可能な動物、気候、後の文字の発明など幸運な偶然性により、また、中国の様に早すぎた中央集権が不可能だったり、不衛生で伝染病病原菌への免疫抵抗力を持ったヨーロッパ人によって、先住民は病気に罹って亡くなり、そのまま現在も続く不公平な社会になったというのが著者ジャレット・ダイアモンド教授の説です。
 上下2巻、とにかく長い本で、2ヶ月以上かかってしまい、その間何も読めませんでした。
 南米にも、アメリカにも馬はいなかった、アフリカのシマウマ、サイなどは家畜には適さない、それぞれの大陸にいた原生の大型動物は、たちまち捕獲されて毛皮や、食べられてしまったために絶滅してしまったなど、驚きの歴史書です。ナショナルジオグラフィックからDVDが出ているので見る価値大です。

 

デンジャラス・ラン(Safe House)

342575view004.jpg 大きなプロモーションや、予告編も無かったのに、思いがけず驚きのサスペンスでした。マットデイモンの「ボーン」シリーズや、月末上映の「ボーン・レガシー」とかぶるのかと思えるCIAのお尋ね者シリーズ。36カ国の保安部から指名手配を受け、人の心を操ることが得意で、殺しのプロであり、CIAをも裏切る、またCIAにも狙われるデンゼルワシントン。南アフリカが舞台であるけれど、限定されていてワールドワイドな大きさは感じませんでした。しかしストーリーはそれを問題にしないほど面白い。
 MI3にもあったけれど、各国の諜報部は、何時使われるか分からない、ハイテク尋問室を持った隠れ家(SafeHouse)が世界中に置いてあるらしい。
 カーチェイスのスピード感、「第九地区」ソウェトでの逃亡劇、一軒目、二軒目のセイフハウスでの銃撃音、爆発音など映画が新しくなるたびに演出が洗練され、例えばT.V.で観ていたらトイレに行く暇も無いくらい緊張感が楽しめる傑作でした。★★★★★

テイク・ディス・ワルツ

1.jpg 「ブルー・バレンタイン」のミシェルウイリアムズがヒロインのラブストーリー。マリリンモンローをやるくらい、ふっくら系で愛想がよく、ぼんやりというかふんわりとしていてる。 自分のことは棚に上げ、もうちょっとよく考えたら?、とかモラルはないのか?など他人には説教したい人、(自分かも)から見ると突っ込みどころいっぱいなのだが、竹を割ったような性格というか、女は強いというか、ご意見無用で恋にセックスに突っ走る。せっかく結婚して、現状何一つ問題ないのに、幸せに慣れてしまい、つまらなくなって次の恋にジャンプするという、いやはや跳んでるお話でした。文化村の映画ってこの手が多いですねー。★★★★

日高市のまつり 半纏

粋友会.jpg 川越市の隣の日高市はここ十数年来、町興し、ふるさと創りの祭りが多くの地区でおこなわれるようになりました。埼玉県有数の観光地と、高麗神社で有名な日高市は2005年以降、人口が急増しています。
 横手神社の獅子舞踊り、日高団地粋友会、原宿団地みこし連、四本木夏まつりなど8月は祭り最盛期です。
 

Blast! ブラスト

51CqqvSjD4L.jpg BrassBandのコンサートかなと思っていました。金管楽器とドラムとダンスとコーラスのコラボです。
 十年以上も前からアメリカで人気の舞台で、知らないのは私だけ、有楽町の東京国際フォーラムはファンで満員でした。BlueManも良かったけれど、その数倍の迫力があります。
 太鼓だけのパフォーマンス(鼓童)は観ましたが、それプラス、フルートからチューバ?までが鳴り響き、ダンスもきれいで、客を盛り上げチケットの高さも納得でした。3人の若い日本人の奏者はハイレベルで、特に日本には中高ととブラスバンド経験者はたくさんいると思いますが、ブラストは日本中を公演するので、きっとどこへ行っても大人気間違いなしでしょう。

プロメテウス

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 「人類はどこから来たのか?」がキャチコピーではあるが、神は自分に似た人を創造したとの聖句を思わせる、冒頭の人間に似た宇宙人によって誕生したらしい。プロメテウス号に乗って行き着いた星にも、その宇宙人はいて、人に似ている加工物があり、しかも、生物兵器まで作って貯蔵しているという、とんでもなく悪い創造主であったのだ。生物兵器は更に極悪で人間はおろか創造主でさえも抹殺するという、バトルロイヤルなみの大騒動である。でもヒロインはアンドロイドに助けられ生き延びて脱出するお決まりです。
 監督のリドリースコットは人類の誕生を描いたのでなく、30数年前のエイリアンの誕生物語を見せたかったのか?怪獣スペクタクルはハイテク技術でますます洗練されてきました。
 アイスランドはいかにも宇宙の惑星と思える最高のロケ地でしょう。アンドロイドのマイケルファスペンダーは「シェイム」のセックス依存症のヒーローと同じく体温を感じさせない名演技でありました。
 3Dは新作映画が出来る度に進化しているなと感じさせます。★★★★

川越インターネットモール

 DSC01159.jpg  川越市の名店を紹介する7月号に、当店の手拭を載せて頂きました。二枚型を使用した趣味性の強い粋な鮎の手拭です。染物屋の技術を披露出来る、このような難しい、しかし美しいご注文を下さったお客様には感謝感激です。
 初夏の緑は生命力を感じさせるすばらしい季節ですが、年齢とともに盛夏の湿気は気力を奪われそうなつらい時期に感じられるこの頃です。
 

ドライブ

 出演作が常に良い評判の「ブルーバレンタイン」で 生活力のない、しかし現状肯定、満足なのだが、妻に捨てられる悲しい男だった「ライアンゴスリング」が、今回は寡黙でクールなお兄さん役で、影のあるヒーローになった。L.A.の砂漠の乾いた空気が感じられる画面で、顔まで怖い極悪マフィアと、好きな女を守るために痛い思いをしながら、人生ただただ不幸な方にしか進まないハードボイルドな戦いをするヴァオレンス映画。
 今回もまた、バッドエンドでした。キャリーマリガンも『シェイム』で不幸な妹役を引きずり、これまた幸せになれない一生を案じさせる、演歌に出てくるヒロインのようなあたり役でした。文化村のようなところでしか上映されない感じの名作が、地元のユナイテッドシネマで観れて思わぬ拾い物でした。★★★★

ヒューゴ(HUGO)の不思議な発明

  もう二ヶ月も前の映画です。あまり良い映画だったので感想がまとまりませんでした。
1930年代のパリ、モンパルナス終着駅庁舎に、時計番のおじさんの後に時計台に不法在留として住着き、両親はなく学校も行かず、かっぱらいのその日暮らしの孤独な少年ヒューゴの冒険劇ですが、同時に映画を発明した「メリエス」を賞賛し、活動映画トーキーの時代、そして現代のムービーに至る歴史を教えてくれます。
 まず、ヒューゴの不思議な顔。シャーロットランプリングのような、実在するのかと思う青い瞳。そして昼は暗く不潔なヨーロッパなのに、エッフェル塔が建った時代の、夜の電気がともる整然としたパリ市を俯瞰する美しさ、カラクリ人形自体にはそれほどの役割はなかったのですが、産業革命以来の、機械のメカニズムの美しさ、「戦火の馬」にもあった機械の恐ろしさを20世紀の明暗で見せます。
 機械オタクのヒューゴが存在価値に悩む恋人に言う「世界が一つの機械なら、一人一人の人間も、欠かすことの出来ない大事な歯車のパーツの一個」=いらない人間なんていない。とかいう台詞に深く教えられたのでありました。
 ちなみにナチス親衛隊SSの格調高い黒い制服をデザインしたのは、ドイツの『HUGO  BOSS」だそうです。ナショナルジオグラフィックからの知識でした。


 

 

福づくし 手拭い

 

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                                               博多のアーティスト福書家様より、昨年に続きリピートで福づくしの手拭いのご注文をいただきました。写真はその基原稿となる色付きの絵葉書です。福一文字でも55文字のバリュエーションがあります。福書家様のフェイスブックには毎日新しい文字が追加されています。森羅万象への好奇心、尽きることの無い創作意欲に感激します。
 アメブロは 福書家の祈り/fukuのブログ 

 

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