絞り染めとは、生地を圧縮したり、巻いたり、縮めたりして染色することで、染まる部分と染まらない部分を作り、模様を表現する技法の一つです。
戦後間もなく生まれたいわゆる団塊の世代にとって、板締めで麻の
葉模様を藍染めにした綿布は赤ちゃんんのおしめとして懐かしいものでした。昭和後期に紙おむつが出回ってから、おしめを干す場面を目にする機会は全くといってよいほど失われました。
雪花絞り(せっかしぼり)は、板締め絞りの代表的な模様。布を三角形や四角形に折り畳み、それぞれの"辺"を染料に浸すことで、独特の幾何学的な模様が染め出されます。折り畳み方、染める辺の場所、染めのちょっとしたさじ加減(染料の浸透具合)によって、雪の結晶と同じように、ひとつとして同じ模様は出来上がらないのです。
ピンクの「雪花絞り」はその名の通り、ひとつひとつは雪の結晶のようで、そして雪花が並んだ布は万華鏡のようで、眺めているとつい引き込まれてしまう美しさがあります。涼しげなこの模様は、夏の浴衣にまさにぴったりです。