「削ろう会」(けずろうかい)とは
鉋(かんな)削りをはじめ、手道具や伝統技術の可能性を追求する会で年に2回の大会が日本全国持ち回りで開催されています。日本の大工だけでなく世界中のカーペンターも技を競います。
鉋屑は本来、仕事の副産物であり、ふつうなら捨てられてしまうものですが、大の大人を夢中にさせる奥深さがあります。
その厚みわずか数ミクロン(1000分の1ミリ)という極限に達するまでには、研ぎや台の調整など数々の習練と工夫を要します。
また、削り手(当会では「削リスト」と呼んでいます)だけではなく、鉋鍛冶など道具のつくり手の習練や工夫も積み重なっており、いわば技の結晶のようなものなのです。
名人の薄く均一な削り屑は向こう側が透けることはもちろん、まるで絹のような光沢があります。
永六輔氏は「削り華」と命名されました。
削ろう会は道具の使い手とつくり手との交流の場でもあります。全国大会の会場で道具の展示販売をする際も、けして商売だけが目的ではなく、使い手とつくり手が顔を合わせ意見交換をする機会となっています。
埼玉県の職人さんたちが 夢削志(むさしと読みます。武蔵のことです)かんな会の半纏を着て会場入りしました。背紋は鉋の刃、腰柄には磨、鉋、技(みがき)と角字で入れました。