2016年1月アーカイブ

卒寿の風呂敷

  風呂敷紗綾形.jpg 紗綾形(さやがた)という文字から文様が浮かばなくても、この形は必ず目にしていると思います。「遠山の金さん」「大岡越前」など時代劇ドラマではバックの襖、武家の着物などでもお馴染みです。

この形をよく見ると、長く伸びた卍が繋がっています。卍は古代インドでヒンズー教の太陽神のシンボルや、仏教では釈迦の体に現れる吉祥の形とされ、功徳円満を表す意味として仏像の胸に描かれました。

卍が中国に伝わると万の字が当てられました。長く伸ばした卍であることから「長脚万字」、富貴が途絶えない「富貴不断頭」とされ、不断長久の吉祥文様として尊ばれたのです。

では、なぜ私達は紗綾形と呼んできたのでしょうか。それは江戸時代初期に中国から輸入された織物の多くに、紗地に綾組織で卍繋ぎが織られていたことに由来しています。

紗綾形はその後、婚礼をはじめ特に女性の慶事礼装の代表的な文様として定着しました。現代でも着物の白生地に最も多い地紋といわれ、紗綾形に四君子(梅竹蘭菊)の蘭と菊を配したものは格が高いとされています。
 この風呂敷はお父上の卒寿のお祝いにご注文いただいたもので、約90cm四方(二四幅)のシャンタンという生地で染めました。左下のマークはは「結び蔦」という紋で、初めて見ました。
 地紋も家紋もいかにも縁起の良さそうな風呂敷ですね。お祝いの引き出物にピッタリです。

あられ柄の手拭い(細淵組)

 


手拭い あられ柄.jpg 「霰(あられ)」とは、空から舞い落ちる、細かい氷の粒のこと。 気温が0度近くなり、雪が氷に変わり「霰(あられ)」となります。

 雨と雪が交じって降る重みのある「霙(みぞれ)」や、粒の大きな「雹(ひょう)」と違って、細かくパラパラと美しく空を舞い、かすかな音をたてて地面に飛び跳ねるのが「霰(あられ)」。「大小あられ」文様は、江戸時代の薩摩島津藩の定め柄でした。 昨年の大河ドラマ「篤姫」で、高橋英樹さん演じる島津斉彬や、瑛太さん演じる小松帯刀が江戸城に上がり将軍様にお目通りを許された際に身にまとっていた「裃(かみしも)」の柄が「大小あられ」文様でした。 「大小あられ」は、江戸小紋の文様の中でも人気の高い文様のひとつです。

 「鮫(さめ)」「行儀(ぎょうぎ)」「通し(とおし)」の江戸小紋三役に、「縞(万筋)」「大小あられ」を加えて江戸小紋五役といいます。 三役、五役の文様は紋を入れることで略礼装とすることができる「格」のある文様です。
 岸町(喜志町)の細淵組様の手拭いは、この大小あられ柄に木札をあしらった粋なデザインです。

 

 

COEDOブルワリー香港島(のれん)

!cid_BE768E97-CC1A-4002-9290-8D2831A6EB96.jpg お得意様の協同商事様が香港島にタップルームを出店されました。1月17日現地のお店に訪問してきました。以前大丸百貨店があった辺りでファッションウオークと呼ばれる、海が近くておしゃれな若者ばかりの代官山ような場所でした。海外で弊社の染めたの暖簾がかかっている風景は又格別の感慨です。サイズは1800*140cm、白の帆布に黒紋です。川越発のCOEDOビールが世界中で飲まれるよう期待します。
 以下香港経済新聞より抜粋です。
 川越を代表するクラフトブルワリー「コエドブルワリー」(埼玉県川越市)は8月19日、銅鑼湾のファッションウオーク(Shop C, G/F, Towning Mansion, 50-56 Paterson Street, Fashion Walk, Causeway Bay TEL 2619 9011)に海外初のビールバー「COEDO Taproom(コエドタップルーム)」をオープンした。

 欧米のクラフトビール文化はアジアにも波及し、最近は香港でもクラフトビールフェスティバルが開催されるなど、盛り上がりを見せる中、「ゆったりとクラフトビールを楽しんでもらいたい」とオープンした同店。路面店として外のオープンスペースに24席、店内に48席を配置する同店は、ちょうちんなどをあしらいながら日本文化を感じさせつつも黒を基調としたシャープな印象で、入り口を入ると12本のタップが並び、たる生のクラフトビールを楽しむことができる。

永源寺のだるま市(のぼり)

 ND6_1017.jpg   1月10日、坂戸の永源寺で、新春恒例の「だるま市」が開催されました。このだるま市は30年以上の歴史があり、毎年多くの人でにぎわいます。だるまは、開運、家内安全、商売繁盛などの願いをかける縁起物として古くから親しまれています。 当日は、厄除け、合格祈願等のご祈祷も行われるほか、各種露店も出店され大変な賑わいを見せます。

 最近は赤いだるまだけでなく、金、白、緑、黄など風水にこだわっただるまも多くなりました。しかし売れ筋は高さ30cm程の2000から3000円のクラシックな赤だるまだそうです。
 のぼりは幅100cm、長さ450cmと大きなものなのですが、背景の伽藍が巨大なので小さく見えます。

出初式(若鳶会)半纏

h1162-04b.jpg    川越地区消防組合の「消防出初式」が1月10日、川越市役所駐車場で開かれ、川越鳶組合が緊張感あふれるはしご乗りを見せました。昨年末に作った真竹製のはしごは、高さ640cm。時折しなり、風が吹くといっそう不安定になるはしごの乗り手は、45歳くらいまでの組合員で作る「若鳶会」から選抜した。 この日は5人の乗り手が登場し、「爪掛二本八艘」や「達磨遠見」といった華麗な伝統芸を次々と披露。最後は3人の乗り手が競演して締めくくった。
 出初式とは新年初めの消防訓練であり、一番おの見せ場である、はしご乗りは消防署員ではなく鳶職人がやるんですね。鳶職人の減少で後継者の確保が課題になっているようです。写真は花紀行様よりお借りしました。

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