東京大空襲の壮絶な悲劇を、新しい視点から描く、命を救うために、命をかける消防士の物語――。
太平洋戦争末期、「学徒出陣」で若い学生が戦場に駆り出されたのはよく知られているが、本土への空襲が激化してくると、帝都防災のために、「学徒消防隊員」(軍隊へ兵役猶予されていた理科系及び医系の学生)や「年少消防官」(18歳未満の少年)として駆り出され消防署に勤務させられた若者たちがいたことは、あまり知られていない。
昭和20年3月10日未明の東京大空襲。その日、訓練する間もなく、素手同然で大空襲火災の真っ只中に駆り出された多くの若者が犠牲になった。命がけで消防に身を投じた彼らの知られざる消火活動を通して、戦争の悲惨さ、愚かさを描くとともに、壮絶な悲劇を乗り越え、次世代へとつなぐ勇気と希望も与える、新しい切り口の終戦特集ドラマ。
3月15日 19時より放送されました。私の工場ではドラマの中、消防士たちが火災現場で着る消防服「刺子」を染めて仕立てました。現代の消防服は燃えない繊維で作られていますが、当時焼夷弾の振る中、刺子消防コートだけでは、とても身は守れなかったことと思います。それでも気力で立ち向かった若者たちがいたことを知り胸を打たれました。