30年前に出版されたトム・クランシーの「レッドオクトーバーを追え」はソ連のキャタピラー推進の新型潜水艦をめぐるジャック‐ライアン大活躍シリーズの幕開けだった。嫌日家のトム・クランシーが昨年亡くなったとは知りませんでした。大藪春彦のヒーローものより、ちょっとインテリな今回のジャック・ライアンは、海兵隊で瀕死の重傷から立ち直り、表の顔はサラリーマン、裏家業はCIAエージェントになるまでの成長過程を初めて知らせます。
東西冷戦、麻薬戦争が武力でなく、経済戦争に置き換えられてはきたが、しかし任務のためにはアメリカ、ロシアとも殺人は日常的に行われているよう。唇の薄いケネス・ブラナーや若いテロリストが典型的なロシア人顔でリアリティを高めます。ケヴィン・コスナーは見た目がすっかり丸くなってしまった感じ。映画ではジェイソン・ボーンシリーズのほうがエンタメ性があるように思いました。