アウトロー/ジャック・リーチャー

343259view001.jpgイギリスの作家リー・チャイルド原作のハードボイルド小説「ジャック・リーチャー・シリーズ」を映画化したアクション大作。久々に大藪春彦の小説を読んだような爽快な映画でした。トムクルーズがグリーンベレー上りの武術、射撃、車の操縦、たぶん飛行機の操縦にも優れ、家庭、家、車、クレカ、携帯電話を所有しない「流れ者」といのが、現実離れした昭和初期のヒーローな感じがする。
 小説が基なので、生活感はなく、服は始めから最後まで同じボタンTシャツ、ネルシャツ、皮ジャン、ジーンズの着たきり雀である。荷物は持たない主義なので、モーテルで自分で洗濯する。
 車ももちろん自己所有でなく、借りたり、脅し取ったもので、すべてボコボコになるまで使い倒す。敵味方ともほとんど70年代の大排気量の脳天気なスポーツカーで、日本国内のほうが在庫が多そうな車種である、空力無視の、ボトルライン型、前低後高のホットロッド型、ウイルは小さめでラディアルでない扁平タイヤを履いている。ポスターにもあるシボレーシェベルSSは7400ccだそうで、環境だ、エコだと騒ぐ直前の小型クラスが5m超時代最後のベストセラー車である。
 クライマックス場面が採石場というのも日活風で、M.I.ほど金もかからず、年齢に縛られることもなく、クリントイーストウッドのようにタフガイ路線で、これからシリーズ化が予想される娯楽物です。 

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