謹賀新年。元旦に観たかったのですが、満席で3日に観ることができました。外は元日が暖かくて,日ごとに寒波が寄せてきて、映画館の中も冷えきってる感じです。文豪ヴィクトル・ユーゴー1862年の作品が原作ですが、格差と貧困に喘ぐ民衆が,自由と希望を求めて立ち上がる19世紀フランスが舞台の小説「ああ、無情」を恥ずかしながら読んだことがありませんでした。
映画はミュージカルのためにあるものだと思っていましたが、今回更にその思いを強くしました。踊りはしませんが、アフレコでなく全編ライブ、台詞の様に自然に奏でられる、張り裂けそうな感情をそのまま歌にする、それが出来る才能を持ったキャストのパワーに、演出に圧倒されました。
フランス革命によって奴隷制はなくなったようですが、欧州の貧富の格差は、「パヒューム」でも描かれていた様に壮絶です。ジャンバルジャン、ファンテーヌの全てを包み込む愛に感動し、エポニーヌや子役に泣かされ、ジャャベールは憎らしく、警察隊に全滅される革命運動の虚しさに憂い、唯一のハッピーエンドのコゼットとマリウスとの純愛に救われます。ラストの死んで行った人たち全ての思いが希望の歌となって、三色旗を振るシーンは忘れられません。ミュージカルといえば、アンドリューロイドウエーバーですが、この中の曲も傑作揃いで耳から離れません。