先月観た、上海の印象が悪かったので、次の当りにめぐり合うまで数本観ているうちに、立ち直ってきました。 今週は、坂戸で「ミケランジェロの暗号」です。背景は1938年ナチスに占領される直前のウイーン、画廊として成功しているユダヤ人家族が受け継ぐミケランジェロのデッサン画をめぐり、一家を収容所に送って無人となった屋敷から探し出して(無料で手に入れ)ムッソリーニに返して、イタリアとの同盟を有利に進めたいナチスと、その絵を隠した父子の駆け引きが、ホロコーストの悲劇から、少し離れた切り口で、痛快な逃避行ストーリーです。「ヒトラーの贋札」と同じ製作者が映画化した、悲惨な極限状態なのに、何とか運と、口と、機転を利かして、生き延びていくうちに、終戦となり、土壇場で絵を取り戻し、母と婚約者とアメリカに渡るハッピーエンドが生きる希望を与えてくれる、サスペンス映画でした。
ミケランジェロの絵に暗号があるのではなく、父が子に託した遺言の中に、隠し場所があるので、この日本語タイトルはちょっと紛らわしいのではと思います。