永瀬隼介「閃光」。昭和最大の未解決事件を、最も整合性ある?ミステリーとした警察小説だと思います。犯行は地元不良仲間複数人で準備され、実行犯は直後自殺、奪った現金は焼却、親が警察関係者、結局警察の面子が最優先され、多数の証拠品が存在していたのに闇に葬られました。「閃光」は、事件当日大雨のなか、冬に珍しく稲妻の閃光が、事件にかかわった犯人を、34年後にも刑事たちを精神的に焼き尽くします。
そこそこ厚い文庫本なのですが、読書スピードが上がりません。登場する刑事たちが重いのです。どの刑事も皆、常に怒っていて、こめかみに青筋を立て、何かあるたびに汗まみれになり、常に一触即発、暴発寸前、上司同僚とも喧嘩腰です。登場人物は深酒、極度の喫煙中毒、高血圧、肝障害、精神錯乱一歩手前ばかりで、読んでいるだけで不健康になりそうでした。今年映画化されるようです。